「これはエビ?それともカニ?」と思わず首をかしげてしまう、平たく不思議な姿。
そんな見た目をしているのが、奄美の海にも生息するゾウリエビです。
名前の由来は、まさにその姿。体を上から見ると平たく広がり、昔ながらの草履を思わせることから「ゾウリエビ」と呼ばれています。
島では「バッタラ」と呼ばれることもある、ちょっと珍しいエビです。
見た目のインパクトが強いゾウリエビですが、食べてみると印象は一変します。
硬そうな殻の中にはしっかりと身が詰まり、ほどよい弾力とエビらしい甘みがあります。派手さはありませんが、知っている人には人気の高い、実力派の甲殻類です。

ゾウリエビとは?【島名】バッタラ
ゾウリエビは、セミエビ科ゾウリエビ属に分類されるエビの仲間です。
一般的なクルマエビのように細長い姿ではなく、全体が平たく広がった独特な体つきをしています。
体長は15〜20cmほどになり、厚く硬い殻の表面には細かな突起があります。
また、前方に伸びる触角も平たい板のような形をしているため、初めて見ると「これがエビなの?」と驚く人も多いでしょう。
奄美群島を含む暖かい海に分布し、浅い岩礁域やサンゴ礁域で暮らしています。岩場の色に紛れるような褐色の体も特徴です。
漁獲量は多くなく、まとまって市場に出回ることも少ないため、一般的なスーパーなどではなかなか見かけません。
ゾウリエビの旬の時期
ゾウリエビは、明確な旬が定められているエビではありません。
資料によっては、鹿児島や沖縄周辺でイセエビ漁とともに混獲されるため、秋から春にかけて水揚げされる機会が増えるとされています。
ただし、これは必ずしも「その時期が味の旬」という意味ではありません。
そのためゾウリエビの場合は、季節を決めつけるよりも、身入りの良い個体に出会えた時が食べ頃と考えるのがよさそうです。
ゾウリエビの味の特徴
ゾウリエビの魅力は、小さめの体からは想像できないほど詰まった身です。
殻を割ると、中にはしっかりとした筋肉質の身。
食べるとほどよい弾力があり、噛むほどにエビらしい香りと自然な甘みが広がります。
また、ゾウリエビは火を通しても身が硬くなりにくいのが特徴です。
そのため、シンプルな塩ゆではもちろん、焼き物や汁物にも向いています。
大型のイセエビのような華やかさとは違いますが、身そのものの美味しさをじっくり楽しめるエビといえるでしょう。
ゾウリエビのおすすめの食べ方
塩ゆで
ゾウリエビの味を楽しむなら、まずはシンプルな塩ゆでです。
火を通すことで身の甘みが引き立ち、ほどよい弾力も楽しめます。
味付けを加えすぎず、エビ本来の風味を味わいたい料理です。
焼きゾウリエビ
殻付きのまま焼くと、香ばしさが加わります。
焼き上げることで身は少し締まり、旨味もより濃く感じられます。
平たい独特の姿のまま焼き上げるため、見た目にもなかなかの存在感があります。
エビ汁
ゾウリエビの殻や頭から出る旨味も見逃せません。
味噌汁にすると、エビの風味がじんわりと汁に広がります。
身を味わった後も、最後まで楽しみたい食べ方です。
まとめ
ゾウリエビ(草履蝦・草履海老・島名:バッタラ)は、奄美など暖かい海に生息するセミエビ科の甲殻類です。
草履のように平たい独特な姿が特徴ですが、味は見た目以上の実力派。
しっかり詰まった身と、ほどよい弾力、そして自然な甘みを楽しめます。
漁獲量が多くないため、いつでも気軽に出会えるエビではありません。
だからこそ、奄美の海で見かけた時には、その不思議な姿と美味しさを覚えておきたい甲殻類のひとつです。















































